2022年1月18日放送の『マツコの知らない世界 お雑煮の世界』。ゲストは株式会社「お雑煮やさん」代表の粕谷浩子(かすやひろこ)さんです。
日本全国のお雑煮事情を知るべく、バス停や銭湯でお雑煮情報を収集し、ときにはお家でごちそうになることもあるそうです。
ちなみに、同じくマツコさんがMCを務める『月曜から夜更かし』(日テレ)に出演したこともあります。
お雑煮研究家・粕谷さんの年齢や出身など
お雑煮研究家の粕谷浩子さんは1972年生まれ。香川県善通寺市出身。
親が公務員で転勤が多かったらしく、北海道、静岡、新潟、鳥取などに住んだことがあるそうです。そんな生活の中で、それぞれの土地で雑煮の違いがあることに気づき、興味を持ちはじめたといいます。
37歳の時に、女子栄養大学短期大学部に社会人入学し、栄養学の勉強をしながらお雑煮調査を開始。
全国各地のバス停や銭湯で女性に声をかけて家庭のお雑煮事情を聞き、情報収集をおこない、ごちそうになることもあったそうです。
その後、品川区立武蔵小山創業支援センターのセンター長などを経て、2015年に株式会社「お雑煮やさん」を立ち上げ、お雑煮の研究や情報発信を続けています。
お雑煮のレトルトパックの販売もしており、創業2年目で約9万個を販売したそうです。
夢は日本や世界にお雑煮マーケットをつくることだといいます。
<参考>
・お雑煮研究所
・umaiのくにから「ハマってしまうよ!ご当地雑煮ワールドへのご招待」
・DIAMOND ONLINE「お雑煮は全国各地でどうしてこうも違うのか?」
粕谷さんおすすめのお雑煮は?
全国各地にあるお雑煮ですが、粕谷さんいわく、代表的なものだけでも100種類は超えているとのこと。
そんな中でも、以下のようなお雑煮がおすすめだそうです。
(参考:SHUN GATE「お雑煮に見る、地域の食材と歴史文化」 2017年時点の情報です)
蒸し雑煮(福岡県)
福岡県の朝倉市・筑前町・東峰村の一部地域で食べられているお雑煮だそうで、茶わん蒸しに入っているのが特徴です。
卵出汁と一緒に蒸すことで、お餅もつきたてのようなモチモチの食感になるのだとか。
石見鮎岩海苔雑煮(島根県)
島根県高津川の川沿いで食べられているお雑煮だそうです。具材は丸餅と日本酒で戻した岩のりだけとシンプル。
高津川や江の川の流域に伝わっている鮎雑煮は、内臓を取った鮎を数日あぶり、乾燥させた干し鮎からだしを取るそうで、上品な香りとすっきりとした味わいが特徴だといいます。
(参考:島根県HP「しまねの雑煮」)
白味噌あん餅雑煮(香川県)
甘いあんこ入りの丸餅といりこだしの白みその出汁という変わり種ですが、やみつきになる味なのだとか。
明治時代あたりより、当時貴重だったとっておきの砂糖を使った正月の特別な料理として、雑煮に取り入れるようになったのが、あん餅雑煮の始まりと言われているそうです。
白味噌は、保元の乱(1156年)に敗れて讃岐地方に流された崇徳上皇のもとへ、京都から往来する人々によって伝えられたとされています。
(参考:農林水産省「香川県 あんもち雑煮(あんもちぞうに)」)
餅膳(岩手県 一関)
わざわざその土地に出向いて食べるなら、岩手県一関(いちのせき)市の餅膳(もちぜん)がおすすめだそうです。
餅膳は、様々な味付けをした餅を膳に並べて食すという、江戸時代から続く伝統料理。正月や冠婚葬祭、客人へのもてなしなど日常的に振る舞われる料理だそうで、味付けのバリエーションは300種類以上もあるといいます。
(参考:郷土料理ものがたり)
宮古くるみ雑煮(岩手県)
おもちなどの具材の上にいくらがのっています。おもちを取り出して、別皿に入れた甘いくるみだれにつけて食べるのが特徴です。
岩手にはくるみ餅という郷土料理もあります。
マツコの知らない世界で紹介されたお雑煮の名店
2022年1月放送の『マツコの知らない世界 お雑煮の世界』では、ご当地お雑煮のほかに、粕谷さん厳選の”365日食べられる名店の絶品お雑煮”として、以下の3店を紹介しました。
甘味処 梅園(東京・浅草)
1854(安政元)年創業の浅草で最も古い甘味処。
4種類のお雑煮を通年で提供しています。一番人気は「梅園雑煮」で、具材はエビ、うずらの卵、たけのこなど。出汁にはかつおと昆布が使われています。
お餅は毎日自社工場で製造されているそうです。
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喫茶マコ(東京・築地)
「喫茶マコ」は1961(昭和36)年に築地場外にできた最初の喫茶店。
紹介されたのは、コーヒー付きの「海鮮雑煮セット」。具材は鯛・ハマグリ・ホタテ・カニ。出汁にはお蕎麦屋さんから仕入れるカツオや昆布を使っているそうです。
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あんみつ みはし(東京・上野)
紹介されたのはフワフワ卵がおいしい「おぞうに」。餅、卵のほか、鶏肉、かまぼこ、しいたけ などが入っています。卵は鍋に入れてから混ぜないため、フワフワになるのだとか。
創業当時から、甘いものの前に食べたい小腹にぴったりなお雑煮をメニューに入れているそうです。
マツコさんも実食し、「安心する味」「お餅がおいしい。おしるこでも食べたいと思っちゃった」とコメント。
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粕谷さんは47都道府県のお雑煮を紹介した本『お雑煮マニアックス』を執筆しているほか、オリジナルレシピのお雑煮の監修などもしています。