映画『キートンの大列車追跡』サイレント映画の代表格

映画

(一部ネタバレを含みます)

 

映画『キートンの大列車追跡』

意図的に白黒で作成された映画は近年でもまれに見受けられますが、サイレント映画となるとなかなかないですね。すなわち、サイレント映画は消えてしまった分野の一部ですが、決してつまらないわけではありません。今回はサイレント映画の代表格とされる作品を取り上げてみたいと思います。

このワードにピンときたらおすすめ
蒸気機関車 ダイナミック 白黒映画 サイレント映画
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作品情報

作品名
(原題)
キートンの大列車追跡
The General
製作年 1926年
製作国 アメリカ
上映時間 74分
監督 バスター・キートン
クライド・ブラックマン
主演 バスター・キートン

 

サクッとあらすじ

  • ジョニー蒸気機関車ジェネラル号の機関士
  • 南北戦争が開戦。ジョニーは愛人アナベルに促され、南軍に志願するも断られてしまう
  • アナベルは失望し、もはや破局状態になる
  • 1年後、北軍スパイがジェネラル号を強奪。乗り合わせていたアナベルは人質に
  • ジョニーは機関車でひとりジェネラル号を追跡。ついには敵陣に侵入する
  • 敵陣で身をひそめる中、南軍が奇襲されるという情報を入手。アナベルを助け出したジョニーは南軍に危険を知らせるため、今度は追われる身となって、来た道を引き返す

作品ワードひとこと解説

南北戦争(1861~65年):アメリカの北部州と南部州の間で起きた内乱。西部に生まれた新しい州の獲得競争や経済上の対立の激化が原因とされる。緒戦は南軍が優勢であったが、ゲティスバーグの戦い以降は北軍が巻き返し、結果的に北軍の勝利で終わった。

蒸気機関車の簡単な歴史
18世紀初:ニューコメンが蒸気機関を発明
1769年:ワットが蒸気機関を改良
1804年:トレヴィシックが蒸気機関車を発明
1825年:スティーヴンソンが蒸気機関車を試作
1830年:初めての鉄道輸送が開業
_______⇒ 鉄道が普及し、交通革命が起きる

バスター・キートンって?

名前くらいしか知らなかったので簡単に調べてみました。
1895年、アメリカのカンザス生まれ。両親が芸人だったこともあり、小さいときから子役としてすでに才能を開花させており、第一次世界大戦にも出征しています。
終始無表情ながらも体を張ったダイナミックなアクションをおこなうことで有名だったようです。
チャールズ・チャップリンハロルド・ロイドと並ぶ三大喜劇王のひとりに名をつらねています。

機関車を使った壮大な鬼ごっこ

この作品はタイトルの通り、キートン演じる主人公ジョニーがただひたすら蒸気機関車を操り、線路の上を走る映画です。
舞台は南北戦争下のアメリカ。当時の蒸気機関車の燃料はまだ石炭ではなく木炭だったようで、当然ですが、現代の列車と比べるとスピードは遅め。それでも十分疾走感があります。機関車を走らせながら、線路を邪魔している木材をどかしてまた機関車に飛び移ったり、徐行している機関車からぴょんと飛び降りて線路のポイントを切り替えてまた機関車にもどるというシーンは、蒸気機関車だからこそできる演出ですね。

ジョニーは敵に奪われた愛おしの蒸気機関車「ジェネラル号」と愛人アナベルを追い続け、気づけば敵地に侵入してしまいます。無事アナベルを救出し、今度は追われる身となって来た道を引き返していくジョニー。まさに機関車を使った壮大な鬼ごっこです。
疾走する機関車越しに映るのどかな風景も見もの。南軍が退却する中、敵陣に単身突っ込んでいく機関車とジョニーのシーンは、シュールさと映像の美しさを兼ねそろえています。
ときには機関車を横から映して疾走感を出したり、縦に映して追われている緊迫感を表現したり。縦と横の演出がうまい作品だなと思います。

キートンの身体能力の高さに驚嘆

前述のように、キートンは体を張った演技に定評があるようです。この作品でもその姿は十分に堪能できます。ピョンピョン軽やかに跳ね回る姿は実に鮮やか。舞台は走る機関車の上ですので、危なっかしいシーンもいくつかあります。機関車の先端のでっぱりにつかまるシーンなどはヒヤッとさせられます。
作中の多くのシーンは疾走する機関車の上で行われるため、一発勝負に近い撮影だったと思います。かなりの緊張感だったと想像できますが、キートンは無表情の演技で見事にこなしております。

最後に

サイレント映画をちゃんと観たのは初めてですが、なんというか映画を観ているというよりも映画史の1ページを観ているような気分でした。サイレント映画はセリフがない分、ストーリーが単純明快ですし、「このシーンではどんなセリフを言っているんだろう」という想像ができて楽しめました。
機関車の蒸気を吹き出す音やレールを走る音が聞けないのは残念ですが、代わりにBGMが機関車の疾走感を演出してくれます。BGMは終始鳴りっぱなしですので、そこに注目するのもいいかもいいかもしれません。

笑いを取るために体を張るのはギャグの基本なのかもしれませんが、キートンは特有の無表情と相まって、非常にシュールに映ります。調べてみたら、キートンは膨大な数の作品を世に出しているのですね。他の作品もぜひ観たいと思います。

100年近く前の作品ですので、ギャグシーンは多少古めかしく映ってしまいますが、「1時間とにかく笑わせてやろう」というキートンの気持ちがこもっています。モノクロで音がなくても、昔の人にとっては、大切な娯楽だったのだと思うと感慨深いものです。

この作品はキートンの最高傑作とも言われているもののひとつだそうです。ぜひ、キートンのシュールなギャグと身体能力の高さを堪能してみてください。
いまのアクション映画をキートンに見せたら、「今のシーンがいわゆるCG合成かい?そんなもの使わなくても僕ならできそうだけど」なんて言われてしまいそうです。

 

キートンの大列車追跡』は動画配信サイト U-NEXTで視聴可能です。
(本ページの情報は2018年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください )

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