『プライベート・ウォー』の主人公メリー・コルビンとは?彼女が取材したシリア内戦って何?

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アメリカの女性ジャーナリスト、メリー・コルビンを扱った映画『プライベート・ウォー』が2019年9月13日に公開されました。


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実際のメリー・コルビンも黒い眼帯をしており、トレードマークでもありました。

彼女は様々な苦難に遭いながらも、ジャーナリストとしての人生を諦めることなく献身的な取材を続け、内戦が続くシリアで2012年に命を落としました。

メリー・コルビンやシリア内戦について簡単に調べてみました。映画を観る上での事前知識になってもらえればと思います。



メリー・コルビンってどんな人?

メリー・コルビン は1956年アメリカ生まれの女性ジャーナリスト。

レバノン内戦や湾岸戦争、チェチェン紛争などで現地取材をしていました。

2001年のスリランカ内戦の取材中、榴弾の破片で左目を失明。さらには心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされますが、後に現場復帰。その際つけるようになった黒い眼帯が彼女のトレードマークとなります。

その危険を顧みない献身的な取材から、2010年にはブリティッシュ・プレス・アワード(British Press Awards)の優秀外国人記者に選ばれました。

しかし、2012年2月22日、シリア内戦の取材中に反政府勢力の拠点となっているホムスに政府軍の砲撃があり、コルビンは亡くなりました(当時56歳)。


出典:Yahoo!ニュース

コルビンが所属するサンデー・タイムズによると、最初の砲撃の際、彼女は無傷でしたが、逃げるために脱いだ靴を取りにホールに戻ったところで、運悪くロケット弾が着弾し、ガレキの下敷きになって亡くなったそうです。
(参考:AFP BB NEWS)

コルビンの家族は「政府軍が反政府的な存在を壊滅する一環として彼女を殺した」と主張しています。
(参考:HUFFPOST)

 

当時のニュース映像もYoutubeにありました(英語)。

メリー・コルビンが取材していたシリア内戦って?

シリア内戦は2011年から続く、シリア政府軍と反政府勢力との争い。

2019年現在も続いており、犠牲者は40万人を超えるとも言われています。

2010年にチュニジアで起きた「ジャスミン革命」をきっかけに、中東、アフリカ諸国を中心に反政府デモが広がりました。これは「アラブの春」と呼ばれ、多くの国で政権が崩壊しました。

  • ジャスミン革命:2010年末 チュニジアで起きた民主化運動
    >大統領が亡命し、政権が崩壊
  • エジプト革命:2011年 エジプトで起きた反政府デモ
    >ムバラク独裁政権の崩壊
  • リビア革命:2011年 リビアで起きた反政府デモ
    >カダフィ政権の崩壊

シリア内戦も「アラブの春」のひとつで、2011年3月15日に起きた大規模デモが始まりの日であると言われています。

シリア内戦では、主に3つの勢力が衝突します。

  • 政府軍
  • 反政府勢力
  • IS (イスラム国)

元々はアサド大統領率いる 政府軍 VS 反政府勢力 という構図でしたが、混乱に乗じてISが台頭してきます。

 

政府軍と反政府勢力の衝突には様々な要因がありますが、大きな要因のひとつは宗教です。

中東で信仰されている宗教と言えばイスラム教ですが、大きく分けてスンナ派シーア派というふたつの派閥があり、お互いに対立していました。世界全体のイスラム教徒のうち、約9割がスンナ派です。

政府軍はアサド大統領を含め、シーア派の一派とされるアラウィー派が多数を占めていました。一方で市民の多くはスンナ派です。市民としては、少数派のアラウィー派が政権を掌握し、独裁政治を行なっていることに不満を覚えていたわけです。これが内戦勃発の火種になったとも言えます。

内戦が始まると、シーア派の多いイランは政府軍を支持し、スンニ派の多いトルコやサウジアラビアは反政府勢力を支持しました。

このほか、イランと親密なロシアが政府軍側に、サウジアラビアと親密なアメリカが反政府勢力側につきました。

このように、シリア内戦は大国の代理戦争としての側面を持っているのも特徴です。

そんな中、ISという勢力が台頭してきます。イスラム国という別称もありますが、彼らは国家に属していたわけではありません。ISの目的は、シリア国内の混乱を利用し、イスラム教の教えに沿った国家を樹立することでした。

ISの規模は拡大し、無視できなくなっていたため、各国は協力してIS討伐に乗り出します。

ロシアとアメリカは、シリア内戦において対立関係にありましたが、IS討伐という面では協力しています。2019年現在、ISは壊滅状態にまで追い込まれています。

そして、内戦は多くの難民を生み出しました。その数は500万人以上と言われています。多くはヨーロッパに逃れ、とりわけドイツは100万人以上のシリア難民を受け入れています。

「内戦」と聞くと、自国内でのもめごとのように聞こえますが、背景には大国が存在していたり、難民がヨーロッパに流れ込んだりするなど、世界規模での問題になっている出来事だと言えます。

まとめ

  • シリア内戦は中東で起こった反政府運動「アラブの春」の一環として起きた
  • 政府軍と反政府勢力の対立の中、ISが混乱に乗じて台頭した
  • シーア派VSスンニ派の宗教戦争、ロシアVSアメリカの代理戦争といった側面も持つ
  • 犠牲者のほか、多くの難民も生み出した



『プライベート・ウォー』でメリー・コルビンを演じるのは誰?

映画でメリー・コルビンを演じるのは ロザムンド・パイク。1979年イギリス生まれ(40歳)。


出典:映画.com

英語のほか、フランス語とドイツ語に堪能。現在は二人の子どもがいます。

2002年の『007 ダイ・アナザー・デイ』で ボンドガールに抜擢され、映画デビューを果たします。このときのジェームズ・ボンドはピアース・ブロスナンですね。

『リバティーン』(2004)では ジョニー・デップ、『サロゲート』(2009)では ブルース・ウィリス、『アウトロー』(2012)では トム・クルーズ と共演しています。

2014年の『ゴーン・ガール』でアカデミー主演女優賞にノミネート。

そのほかの主な出演作は、『プライドと偏見』(2005)、『17歳の肖像』(2009)、『タイタンの逆襲』(2012)、『ナチス第三の男』(2017) など。

まとめ

戦場ジャーナリスト、メリー・コルビンを取り上げた映画『プライベート・ウォー』が公開されました。

メリー・コルビンは左目の失明、PTSDなどを乗り越え、最期まで現地での取材を続けました。

いまや、当たり前のように遠い世界で起きている出来事をリアルタイムで確認できますが、それはメリー・コルビンのように現地で命を賭して取材してくれる人のおかげと言えます。

果たして、映画では彼女の人生、そして過酷な戦場やそこに生きる人々の姿がどう描かれていくのでしょうか。

『プライベート・ウォー』は 2019年9月13日公開。

 

予告編

 

 

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本ページの情報は2019年8月時点のものです。最新の配信状況は 公式サイトにてご確認ください。

 

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